SSRIと妊娠・出産
うつのある女性にとって、抗うつ治療薬が妊娠・出産におよぼす影響の有無は重大な問題です。特に先に紹介しましたSSRIという新しい抗うつ薬について考えます。 2008年時点で日本で許可されているSSRIは デプロメール・ルボックス・パキシル・ジェイゾロフトです。
適応症は、うつ病・パニック障害・強迫性障害などです。当院では適齢期の女性に投与する場合、必ずその妊娠・出産への影響を御説明します。それは以下のような点です。
1)催奇形性について:現在のところ明確な因果関係は証明されていません。
2)母体の心身が健康であることが第1です。催奇形性よりも、生んだ後に育てられるかどうかが問題です。
3)しかし妊娠中にSSRIを服用した場合、胎盤から胎児にSSRIが移行し、お母さんのお腹から外に生まれ出て、臍の緒を切ったときに、新生児にも退薬症状(以前にもSSRIは急に中止すると退薬症状がつらいと書きましたね)が出現します。赤ちゃんは、その苦痛でギャーギャーないたり、あるいは逆に(正常に)泣けなかったりします。しかし新生児にSSRIをあげる必要はありませんし、SSRIは母乳にも移行しますので母乳で授乳できません。そこで新生児は小児科で点滴などをうけてSSRIから離脱させる必要があります。
4)ですから少量のSSRIを服用している時に、もし妊娠したら、服薬を本人のペースで早めに止められれば望ましい などです。
以上は、SSRIを飲む前に話すことが多いのですが、服用していて妊娠したという相談も多いからです。
院長 木村恵子
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