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2008年11月

SSRIと妊娠・出産

うつのある女性にとって、抗うつ治療薬が妊娠・出産におよぼす影響の有無は重大な問題です。特に先に紹介しましたSSRIという新しい抗うつ薬について考えます。 2008年時点で日本で許可されているSSRIは デプロメール・ルボックス・パキシル・ジェイゾロフトです。

適応症は、うつ病・パニック障害・強迫性障害などです。当院では適齢期の女性に投与する場合、必ずその妊娠・出産への影響を御説明します。それは以下のような点です。

1)催奇形性について:現在のところ明確な因果関係は証明されていません。

2)母体の心身が健康であることが第1です。催奇形性よりも、生んだ後に育てられるかどうかが問題です。

3)しかし妊娠中にSSRIを服用した場合、胎盤から胎児にSSRIが移行し、お母さんのお腹から外に生まれ出て、臍の緒を切ったときに、新生児にも退薬症状(以前にもSSRIは急に中止すると退薬症状がつらいと書きましたね)が出現します。赤ちゃんは、その苦痛でギャーギャーないたり、あるいは逆に(正常に)泣けなかったりします。しかし新生児にSSRIをあげる必要はありませんし、SSRIは母乳にも移行しますので母乳で授乳できません。そこで新生児は小児科で点滴などをうけてSSRIから離脱させる必要があります。

4)ですから少量のSSRIを服用している時に、もし妊娠したら、服薬を本人のペースで早めに止められれば望ましい などです。

以上は、SSRIを飲む前に話すことが多いのですが、服用していて妊娠したという相談も多いからです。

院長 木村恵子

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リエゾン精神医学とは

リエゾンは、liaison(仏語)(「境界」という意味)と綴ります。身体面の治療を中心に行っている患者さんにおこる様々な精神科的問題を治療する精神医学の分野です。

体の病気に伴う精神症状はかなり多いものです。精神科医の勤務する病院では、他科からの依頼や、相互協力体制をつくってこのような患者さんの治療にあたります。コンサルテーション・リエゾン精神医学とも言います。

具体的に扱う代表的な症状として、「せん妄」は意識混濁に幻覚・錯覚・興奮・不安・不眠などが加わったものです。身体疾患が重症なときだけではなく、高齢者には些細なこと(入院しただけでも)で起こります。あるいは身体疾患の治療に使っている薬でおこる場合もあります。さらには身体疾患そのものから生じている場合もあります。

◎基礎疾患や全身状態を改善することが重要になりますが、せん妄状態自体の治療を並行して行う必要がありますので、精神科と他科の緊密な協力が必要です。どのような場合にリエゾン精神医学が必要とされるか、以下にあげます。

1)せん妄をおこしやすい疾患:甲状腺機能低下・亢進膠原病(SLEのループス腎炎に伴うものなど)副甲状腺機能低下などがあります。

2)せん妄をおこしやすい身体疾患の治療薬

・ステロイド・インターフェロン・L-Dopa

3)人工透析に伴う精神症状(せん妄だけでなく多様な症状が出現します)。

4)臥床が持続している場合他

院長 木村恵子

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性差医療とは

男・女の性差に基づいた病態診断や治療技術の研究と実践を行う医療であり、性差医学とも言います。単に生殖器官の違いによる医療分野の違いではありません。

数年前から、このような医療の考え方や、実証的な研究が活発に行われるようになりました。

性差医療が注目されるようになった背景は、主な疾患の罹患率の性差、例えば気胸や痛風は男性に多い、膠原病や鉄欠乏性貧血は女性に多いといったことに加えて、病態の性差、例えば糖尿病・虚血性疾患・疼痛に対する脳の反応する領域と閾値が違うことなどがわかってきたことにあります。これまでの医学は成人男性を標準としていました。性差医療は、投薬等に関しても病態とその変化・推移、診断方法・治療方法など男女の様々な差異により生じる病態の差異を念頭に置くものです。

実際にどう受診するかについて:2007年頃から女性外来などが都市部などでできてきましたが、特に「女性外来」をうたっていなくても、男女差を意識したオーダーメイドの治療をうけられる外来でであればよいと思います。

精神の分野では、まだ十分な研究は少ないように思われます。PTSDなどは男女双方が罹患する心の病ですが、やはり男と女で症状や治療戦略がかなり違うのではないかという問題提起はあります。今後の、進歩・発展が期待されます。

院長 木村恵子

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SSRIと妊娠・出産

2008年時点で日本で許可されているSSRIは デプロメール・ルボックス・パキシル・ジェイゾロフトです。

うつ病・パニック障害・強迫性障害・他ですが、妊娠・出産との関係は私は適齢期の女性ならば、必ず、先に説明しています。

1)、促奇形性については因果関係までわかりかねるからー太古の昔も現在も、何も服用していなくても、様々な胎児の障害は大小あること。

2)、前回の続きとなりますが、母体の心身が健康であることが1番で、促奇形性のことではなくて、育てられますか?ということにもなりますけれど、その前に話します。

3)、SSRIは急に止めたら退薬症状が大変です。薬の減らし方で書きましたが、本人のペースでないとまずい。SSRIを胎盤から胎児がもらっていたら、お母さんのお腹から外に生まれ出て、臍の緒を切ったときに、新生児は退薬症状のために、苦痛で、ギャーギャーないたり、泣けなかったりします。新生児にSSRIをあげる必要はないし、SSRIは母乳に移行するので、あげられない。新生児は小児科でSSRIを点滴などで体から抜く必要があります。

4)、もし、妊娠していて、その量が少なければ、お母さんが服薬を本人のペースといえども、早めに止められれば望ましい。などの説明。

5)、SSRIを飲む前に話すことが多いのですが、飲んでいた場合までの説明を致します。服用していて妊娠した。しています。という相談も多いからです。

院長 木村恵子

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クールダウンのすすめ

心のクールダウンについてかんがえてみましょう。よく、30分ぐらいの通勤がよいといいませんか?

遠すぎず、徒歩・自転車であったり、バス・電車であっても、つり革広告をみたり・・このようなことが、日常生活や仕事で撹乱された心のクールダウンとして大事なのではないでしょうか。

仕事に行く時より、帰るときに頭の興奮冷めやらずという方は多いのです。

自宅で仕事の場合は(人それぞれですが)なおさら気をつけないと切り替えができないまま、眠れないということが多いものです。散歩5分でも大切です。

満員の終電では困難かもしれませんが、通勤帰りに過回転していた頭や体をロースピードにしてリラックスすることが良質な睡眠に繋がります。帰り際に気の合う友人と、一杯お茶とか、少量のアルコールを飲む、寄り道することもよいかもしれません。最終手段は、職場を出る前に少し薬を飲むこともありますが。

翌日の元気の為には、良質の睡眠は必要です。そのために、帰りに素敵なクールダウンをみつけましょう。

ただし前提にはくつろげる家・寝床が待ってることが必要です。

院長 木村恵子

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不安障害

不安とは、対象のはっきりとしない漠然とした、いてもたってもいられない感じを強く自覚する症状です。これに対して、「心配」は、具体的な対象を自覚している状態で、「不安」と区別されます。

不安発作は、「これから自分はどうなるのか?」という漠然とした恐れの感覚から、さらに強い不安感に襲われ、めまい・息切れ・動悸・頻脈・下痢・発汗・息苦しさ・頻尿などの身体症状を伴います。

さらに「また同じようになるのでは?」という 「予期不安」から、生活範囲がどんどん狭くなってしまいます。

治療:

不安発作がおこる場所や状況に立たされる前に、効果のある精神安定剤

(ベンゾジアゼピン系等)を服用しておくようにします。症状が改善したら本人と相談しながら、薬を徐々に減らし、飲まなくても持っていることによって不安を回避できる「お守り」になるようにしていきます。

院長 木村恵子

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パニック障害

パニック障害の主な症状は強い不安感です。不安発作と同様に、身体症状と精神症状(予期不安・緊張・過敏・混乱・集中困難、他)、および行動面への不安感情の反映(その場を回避するようになり、行動の範囲が狭まる)があります。そのため、従来は不安発作と同じとされていましたが、現在は不安障害の一つとして分類されています。症状をなかなか自分でコントロールできないのが特徴です。

通常の場合は、思いがけない事態がおこったときに人はパニック(恐慌)状態になります。しかしそのようなことがないのにパニック状態に陥るのがパニック障害です。

約100人に1人が罹患するといわれ、決してまれな病気ではありません。

パニック障害を発症する患者さんは、すでにうつ病を併発している場合があります。そしてパニック障害や不安障害をアルコールで紛らわしていたために、アルコール依存症になる場合もあります。

原因の解明はまだ充分になされていませんが、現在のところ、脳内神経伝達物質やその受容体(レセプター)の機能の異常と発症の関係について研究がされています。

★治療法

1)薬物療法:急性期と慢性期では投与薬物や方法に違いがありますので、専門医によく相談する必要があります。抗うつ剤・抗不安剤がしばしば用いられ、認知行動療法や自律神経法、暴露療法といった心理行動への働きかけが効果的です。またパニック障害は自律神経症状を伴うことが多いので、自律神経機能を整える治療も大切です。

2)家族や周囲の人の対応:病気に対しての理解を周囲の人がもつことが重要です。発作にいちいち慌てない(周囲はおちついていること)こと、外出や通院のサポートすることなどです。また先に述べましたように、うつ病を併発することもありますので早く受診をすべきことを、本人に勧めていただくことです。

木村こころのクリニック 院長 木村恵子

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引きこもり

「引きこもり」という症状の定義は学問的にまだ明確になっていません。ですから論者によって様々な解釈がされています。多くの場合、自室から出られない・出ない、学校や職場に行かない・行けない等の状態をさして「引きこもり」と呼ばれることが多いようです。子供でも大人でもおこりますが、圧倒的に男性が多いことが特徴です。「引きこもり」の実態や程度は様々です。

原因:臨床的にしばしば体験する問題として、

1.学校や職場でのいじめ等から逃れるため

2.家族での過干渉によって自己肯定感をもてないこと、 

3.現実逃避、目にしたくない現実から目をそらすため 

など

患者数:

日本での調査では、2005年度のひきこもりは160万人以上と言われています。時々外出するが主に引きこもっている人を加えると300万人以上と言われています。

子供の場合、直接本人に何故?とはなかなか聞けないのですが、状況をみていると、ネットやゲームにはまって昼夜逆転になって学校にも行けないという生活リズムの上での悪循環を多くの場合認めます。

子供の「引きこもり」は、こころの病気が背景にあるのかどうかを診断すること、家庭生活での問題点の有無(なるべく本人から)など、きちんと診断することが必要になることが多くあります。10歳代で引きこもってしまうと、社会経験不足となり、その後の人生に影響が大きくなりますので、やはり何らの対応をとることが重要でしょう。

一方、成人してから「引きこもり」になった場合は、ネットやコンビニ・等、特に積極的に外出したり人間関係をつくらなくても、都市部では便利で心地よい生活空間を作ることができるという環境が「引きこもり」を促進する大きな要因になっているように思われます。ただし、そのような単調な生活にいずれ飽きてしまいますので症状は徐々に改善していくことも少なくありません。

院長 木村恵子

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